東日本大震災ボランティアに参加して
平成23年5月20日
                       宮原 光夫

倉敷市が岩手県遠野市にボランティア活動の拠点を設けて、バスを運行する事になりましたのでボラとして参加いたしました。
バスで約1200キロメートル、22時間の間に8回休憩をとりながら、到着した活動拠点は田舎の公民館といった感じで、40畳くらいの畳の部屋と10畳くらいの板場の台所が有りました。ここに20人が雑魚寝となります。
全国から遠野市に集まったボラの大半は遠野市社会福祉協議会体育館への泊まり込みですが、肩幅60センチ長さ190センチの床が与えられる広さですから、倉敷市拠点は助かります。どちらも食事・洗濯は自前です。
ボラの求人・求職のマッチングは「遠野まごころネット」が遠野市社会福祉協議会内に設置されています。「遠野まごころネット」の構成は遠野市社会福祉協議会をはじめ遠野青年会議所・岩手県日本赤十字社等多数の団体で構成されていて、組織を内勤部隊(受付・マッチング・宿泊世話・倉庫係り・移動バスの手配等)のほか、行動部隊はガレキ除去・泥すくいを陸前高田市・大槌町・釜石市・大船渡市の各地へ毎日バス移動して作業をします。以下は私が体験した求人欄の活動です。
@ 陸前高田市水田ガレキ処理
津波の後の水田整理ですが、瓦・家具・窓ガラス・台所用品の散乱した物を人海戦術で、拾い集めて重機で処理できるように山積みします。この仕事は毎日100人以上を送り込みしています。
写真等が出たら別に集めます。カキ養殖死骸の匂いには悩まされました。
リンゴ農家からリンゴの差し入れを頂きました。
A 大槌町民家泥すくい
  住宅街の津波跡の泥かきですがスコップで土のうに詰めて軽トラックでゴミ集積場へ運搬します。写真の仕分けもあります。「ボラに来て下さって助かります」と皆さんにお礼のジュースをいただきましたが、何かとお困りの中で東北の人情ですね。
B 稲荷下倉庫係り
  遠野市へ避難している人をはじめ、釜石市・大船渡市等三陸海岸で被害を受けて被災証明を持参の人に生活用品を無料配布する場所ですが、お米・みそ・醤油・ラーメン・トイレットペーパー等を家族構成等で制限を受けてポイント制です。例えばお米は5キロが1ポイント、トイレットペーパーは1袋が1ポイントで1世帯が20ポイントまでに決まっています。介護用品とか学用品・中古おもちゃ・中古書籍はノーカウントでもらえます。小さい子どもがぬいぐるみを嬉しそうに抱いていました。ここの配給所は品物も揃っているとの評判で遠くは自動車で1時間もかけて、毎日通う世帯も有るそうです。私達の仕事は、商品を倉庫から補充・レジでポイントチェック・買い物のお手伝い・運搬等です。毎日300人くらいのお客です。どこかのお寺が木を削った仏像をノーカウントで出していました。「あのう、これを二個もらっていいですか」と尋ねられました。「我が家は二人亡くなりました」とご婦人に泣かれましたが、私自信が、やさしい言葉のひとつも、かけられない無力感を感じました。ノーカウント品には心がこもっていますが、受入を制限しているところが有りますが、ぜひ、書籍やおもちや等の「優しい心」を届けたいですね。
現場作業は泥との戦いですから、生活拠点では衛生面も問われます。夕食を済ませて、歩いて30分くらいのところに銭湯があり、毎日通いました。自衛隊さんも毎日通っていて顔なじみになります。北海道の部隊から沢山参加しているようで、貴方たちのおかげで助かりますとお伝えしました。
 活動拠点のすぐ隣の民生委員の遠藤さんには、拠点のカギ管理からゴミ出し等の生活指導から時にはお鍋の差し入れまで頂きました。御礼を申し上げます。
遠野ボラ活動の写真

倉敷ボランティア協会